"僕はよく昆布の気持ちになってみる"
自分が昆布だったら、、、
どうやって干されたいだろう
どんな場所で寝転がりたいだろう
どんな最期を迎えたいだろう

僕が昆布だったら
生まれ育った海が目の前の綺麗な浜で
お日様と潮風をたっぷり浴びながら
そして島の絶景を眺めながら
大自然の中で気持ち良く干されたい

そんな昆布の夢を叶えるような干場が
礼文島の元地という、断崖絶壁が続く
民家も道路も少ない西海岸にある

それが我が家の絶景昆布干場

メノウ石がたくさん転がっている
時化るたびに波に洗われ雑草すら生えない綺麗な浜
近くに道路がないので排気ガスや砂ぼこりを浴びない
観光客も誰も来れないような秘密の場所
聴こえるのは波の音と風の音
そして子どもたちの笑い声

昆布たちの故郷が目の前に広がっている

ただそこへ行くには険しい道を歩かねばいけない

なんでわざわざそんなところで?
そこへ連れていかれる家族が可哀想だ
もっと作業しやすい場所、楽なところで干せばいい

そうやって人々は道路の脇にコンクリートを敷き
その上に砕石をひろげ、作業効率のいい
人工的な干場をどんどん作っていき
いつしかそれが主流になった

自分はその流れに逆らう異端な存在
昔ながらに憧れ、そこに価値を見出す
なんなら昔に還りたい、原点回帰

数々の言葉をもらったが、心配御無用
うちの家族はその場所をすぐに気に入った
礼文島で一番大好きな場所になった

だから僕は今日も昆布を担ぐ
どんなにバカにされようとも
昆布の願いを叶えるために
待ってくれているみんなのために
僕はこれからもこの場所に昆布を干す

そんな愛情たっぷり注がれた我が家の昆布は
幸せ者なんじゃないかなと思っています
そしてそれを食べたら、幸せになれるって思ってます

そして今年も無事に昆布漁ができました
貴重な海の恵みを自分が代表して採らせてもらった
販売する形になりますが、みんなで分かち合う
そんな気持ちでいます

このことは決して当たり前なことではありません
礼文島に、海に、地球に感謝しなければいけません

道内では天然物が採れなくなってきている場所が
どんどん増えています
礼文島は今はまだなんとかなっているだけです
明日は我が身です
天然物は確実に減っていくことでしょう

ますます貴重になってゆく天然物
感謝の気持ちを忘れずに
そして海に漂う昆布に想いを馳せながら
一枚一枚、手にとっていただけたら嬉しいです

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